J-WAVEを中心に20年以上、軽快な語り口で様々なカルチャーの魅力を伝えてきたジョン・カビラ。国際的に活躍する“東京カルチャーの顔”とも言える彼の、アートに対する姿勢は未来への示唆に富んでいる。
Photo: Takaharu Shibuya

写真:六本木ヒルズ森タワー33FのJ-WAVEにて取材。「職場の上階が美術館なので、娘と一緒に展覧会を観に行きます。娘はヘッドフォンの解説が好きなんですよ。ヘッドフォン自体が好きなのかもしれませんが」
日本のアートの魅力を
旅行者や子供たちに伝えたい
―アートの観点から、東京の魅力を考えると、
どんなところが優れていると思いますか。
まず、日本のアート作品が集まっているということ。当然、日本の伝統工芸・美術には、誰にも否定できない魅力がありますし、重要文化財、無形文化財には、世界のどこにもない価値がある。それらを含めて日本のアートの魅力は東京に住んでいる僕らが再発見すべきだし、海外からのお客様がアクセスしやすくすることが必要です。
また、以前と違って、一般の方がアートを発表するような機会が増えていますよね。貸しギャラリーやカフェや雑貨屋の一角、普段乗り降りしている駅の壁面、お店の陳列棚など、この10年でそういうフィールドが格段に増えていると思いますね。少子化の影響で廃校になった校舎がワークショップに使われたりするのも注目すべき動きです。
期待するのは、子供たちが幼少期からそういう世界に触れていくこと。僕らが小さい頃はただ、いけいけどんどんの高度経済成長の時代で、足元の草花とか伝統文化を省みる暇がなかった。今の子供たちには、そういう余裕があるし、アーティストと子供たちや社会人が交われる場が増えていくといいですね。
ピッチにとてつもない絵が描かれる、
その瞬間が見たい
―今、気になっているアーティストはいますか。
例えば村上隆さんとか日比野克彦さん、沖縄出身ということで名嘉睦稔さんも気になりますね。日比野さんは僕と同じサッカー好きでもありますし、市民のなかでアートを実践されている方なので、その動向に注目しています。村上さんは言うまでもなく世界的に活躍されていて、某有名ブランドとのコラボなど、日本ならではのキャラクターの使い方を開発しましたよね。
全く違うフィールドでは伊藤穣一さん。ウェブの世界で「クリエイティブコモンズ」といった新たな著作権の考え方を提唱していて、彼に小山田圭吾さんや坂本龍一さんが関わってきたり、ITとアートの融合によって、日本からまた新たな提案ができるのではないでしょうか。今、世界はアマゾン、グーグルに席巻されて、新たなデジタル帝国主義のような見方も成り立つわけですが、そういう状況に日本ならではの一石を投じることができる人たちに期待しています。
―サッカーW杯でも、そういう活躍を期待したいですね。
サッカーはアートです!なぜならアートと同じく、普遍的なものだからです。洞窟の壁に絵を描くのと同じように、非常に原始的なかたちで、動物の胃袋でボールを作って、蹴り合っていたのが、世界各地の風土と文化に育まれて、モダンサッカーにつながっている。だから世界中どこでもボールを持っていけば、どこかで蹴り返してくれる人がいるし、その覇を競うのがワールドカップです。全64試合の大会中、人智を越えた意思が降りてくる瞬間がある。インスピレーションあふれるパス交換の数々によって、ピッチの上にとてつもない絵が描かれる、その瞬間は芸術ですね。そういう場において、“日本の筆”がどういう風に走るのか、期待しつつ、心配しています(笑)。
―最後に全ての“アーティスト”に向けて、一言お願いします。
“Just have fun”ですね。僕のモットーでもあるのですが、もう、とにかく楽しんでください。楽しむために、いろいろ大変なこともあるとも思うのですが、“If you do it, must have fun”。やるからには楽しまないと。

僕自身は古典よりは現代好きなので、ニューヨークだとMOMAとかに行っちゃいます。MOMA永久所蔵の家具とか、欲しいですね(笑)
…続きは『NODE No.10』をご覧ください














