美術展や音楽イベント、映画祭等への協賛・後援など、木下工務店は多方面にわたる文化支援活動で知られている。絵画や音楽など、芸術鑑賞が大好きだという木下工務店社長・木下直哉氏に企業の文化支援についての考えを伺った。
Photo: Kazuhisa Hatanaka

自分のお金と時間を使うことが肝心
―御社は近年の建築・不動産不況の中でも業績を伸ばしていますね。
おかげさまで2008年に活躍した財界人や文化人に贈られる「経済界大賞」の敢闘賞を受賞させていただきました。なぜ業績が良いのかという理由を自分なりに分析したのですが、文化支援で多方面に貢献し、それを評価していただいているからではないかと考えています。
その証として、近年、顧客の質と幅が確実に充実してきているという手応えを感じているんです。人は誰かが勧めたものを購入する傾向がありますし、それが社会的影響力のある人であれば、なおさらです。文化支援は目に見える何かが効果として見えにくいものですが、一定レベルのお客様から評価を得られるようになってきて、それが現在の業績を支えているのだと考えます。
すばらしい商品を安価に提供するのは企業にとって当然なことで、プラスアルファとして社会にどのように貢献しているかが重要です。そういう意味で当社は、企業として独自の存在価値を明確に示していると自負しています。
―文化支援に関して、社内をどのようにリードされているのでしょうか。
そもそも文化支援活動が、企業を営む上で必要である、行うこと自体がよいことだ、という共通認識がスタートラインです。支援するプロジェクトの選択基準は、多くの方に見てもらえて、感動を与えられると思えるかどうかですが、私自身の趣味や好みが大きいことは確かです。社内を見渡してみると、ただ業績を上げるために頑張るというのでは、社員の努力は長続きしません。業績を上げ、なおかつ幅広い文化支援によって、いろいろな方に様々なことを提供できる企業であるという存在意義があってこそ、社員も頑張れるのではないでしょうか。
―すると社内には”アート好き”が多いんですか。
文化支援は「誰かが『いい』と言っていました」ではダメなんです。自分がどう思うかです。自分のお金で、自分の時間を使い、美術館や映画館やライブなどにどんどん通う人間でなければ、支援したくなるような作品を判断できるようにならないでしょう。好きで情熱がないとパワーは出ませんし、パワーを持った人間が選んだものは、それなりに訴えられるものがあるはずです。さらには遊び心を持って、ゆとりができるようになると仕事も頑張れるし、楽しくなってくると思うんです。
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1965年生まれ。福岡県立苅田工業高校卒。90年、エム・シー・コーポレーション(現キノシタ・マネージメント) を設立、代表取締役に就任。2004年、木下工務店代表取締役に就任。座右の銘は「正々堂々」。














